この記事の結論まとめ
税理士によって「見解」は大きく異なる
同じ質問をしても、税理士によってリスク判断・許容範囲が全く違う。1人だけ話を聞いて決めるのは危険
最低2〜3名との面談が必須
「料金が安い」だけでなく、考え方・方針の相性を確認することが重要。それには比較しかない
税務調査での「代理交渉力」は税理士次第
顧問税理士は税務署との窓口になる。方針のズレは、いざというときに致命的なミスになる
「なんとなく」で税理士を選ぼうとしていた過去の自分
法人を設立したとき、正直なところ「顧問税理士なんて、誰に頼んでも大差ないだろう」と思っていました。
記帳して、申告書を作って、税金を計算してくれる——そういう「事務作業の代行」程度に考えていたのです。
知人から紹介された税理士に「とりあえず一度話を聞いてみよう」と思っていた矢先に、ふとした縁で税理士紹介サービスを知り、複数名と面談することにしました。
これが、思わぬ気づきにつながります。
体験談:3名の税理士の意見がバラバラだった話
面談前に、あらかじめ2つの質問を用意していました。法人を設立してから、ずっと悩んでいた問題です。
悩み①:妹を役員にする場合の役員報酬額
法人設立にあたり、妹に役員に就いてもらうことにしました。本人も会社の仕事を手伝ってくれているのですが、役員報酬をいくらに設定すればよいのかが分かりませんでした。
「高すぎれば税務調査で問題になるかもしれない」「低すぎれば節税効果が薄れる」——そのバランスをどうとるかが、ずっと不安でした。業務の実態に見合った金額であることが重要なのはわかっていても、その「見合った」の基準が曖昧なのです。
悩み②:出張時の日当(旅費規程に基づく日当)の金額設定
法人では旅費規程を整備すれば、実費精算ではなく「日当」として非課税で支払えます。出張が多い業種なので、うまく使えれば節税になる——と聞いていました。
ただ「どの程度の金額なら問題ないのか」「役員と従業員で金額を分けるとしたらいくらが妥当か」、この点がまったく自信を持てていませんでした。
この2つの質問を、3名の税理士に同じように投げかけました。返ってきた答えは、それぞれ全く異なるものでした。
「その金額なら問題ない。実態があれば十分です」
役員報酬・日当ともに「実務上よく見るケースで問題ない範囲」という回答。節税観点で積極的に活用を推奨してくれた。最新の判例や税務調査事例にも詳しく、根拠をもって説明してもらえた。
「その金額は、税務調査で否認されるリスクがあります」
同じ数字を見せたにもかかわらず、「税務署から見ると経費性が疑われる水準」と指摘。保守的なアドバイスで、役員報酬・日当ともに大幅に引き下げることを勧められた。
「旅費規程の日当はそもそも使わない方がいい」
日当については「リスクが大きい制度なので、実費精算に統一した方が無難」という方針。役員報酬の金額設定については「妥当」と言いながらも、全体的に守りの姿勢が強く、節税提案はほぼなかった。
同じ会社、同じ数字、同じ質問——なのに、回答は三者三様でした。
「料金」だけでなく、考え方・方針レベルで根本的な違いがあることに、正直驚きました。
なぜ税理士によって見解が異なるのか
同じ国家資格を持つ専門家が、なぜこれほど意見が変わるのでしょうか。面談を重ねて気づいたのは、以下の3つの要因です。
経験してきた業種・規模が違う
大企業の税務申告を主に担当してきた税理士と、スモールビジネス・個人事業主上がりの法人を多く見てきた税理士では、「当たり前の感覚」が全く異なります。同じ日当の金額でも、「大手なら通る水準」と「小規模法人では目立つ水準」の差があるのです。
リスク許容度(税務調査への心構え)が違う
税理士によって「攻め」と「守り」のスタンスは大きく異なります。節税を積極的に提案する税理士は「グレーゾーンは適切に根拠を整えて攻める」方針。一方、保守的な税理士は「税務調査で1円も否認されないことを最優先」に動きます。どちらが正解ではなく、依頼人のニーズ次第です。
得意分野・専門分野が違う
税理士にも得意・不得意があります。相続に強い税理士が法人の役員報酬に詳しいとは限りませんし、飲食業が得意な税理士がYouTuber法人の経費処理に慣れているとも限りません。専門外の案件では、どうしても「無難な答え」しか出てこないのです。
見解がバラバラだった、
その理由がわかった
スタンスの違い・専門分野の差・最新知識量のギャップ。比較して初めて気づける、税理士選びの本質。
税務調査のとき、顧問税理士は何をするのか
税務調査が入ったとき、顧問税理士は単なる「書類担当者」ではありません。私たち経営者の代わりに、税務署と交渉・説明をする立場になります。
役員報酬の根拠を説明するのも、日当の妥当性を主張するのも、顧問税理士が最前線に立つのです。
方針がズレたまま税務調査に入ったら
もし私が「節税を積極活用したい」という方針で役員報酬・日当を設定しているのに、顧問税理士が「なるべく否認されないことを最優先」という方針の人だったとしたら——。
税務調査の場で、税務署から指摘を受けたとき、税理士は「おっしゃる通りです、修正しましょう」と簡単に折れてしまうかもしれません。適切に根拠を整えていれば問題なかった案件でも、顧問税理士の方針次第で否認されてしまう可能性があるのです。
これは笑えない話です。私は「方針のズレは致命的だ」と感じました。だからこそ、顧問税理士選びは「料金」だけで決めてはいけないのです。
税務調査のとき、
顧問税理士の実力が問われる
書類整理だけでなく、税務署との交渉・説明が顧問税理士の本当の仕事。方針のズレは致命的になる。
最新の税制に疎い税理士もいるという現実
3名の面談を通じて、もう一つ気づいたことがあります。最新の税制改正や節税制度の知識量に、大きな差があるということです。
「今年の改正でここが変わった」を即座に説明できる
最近の法人税・所得税の改正ポイントを把握していて、「この制度は昨年から変わったので注意が必要です」と具体的に教えてくれた。新しい制度の活用提案も積極的だった。
数年前の「古い常識」で説明してくる
特定の節税手法について質問したところ、「それは使えません」と断言されたが、実際には制度が見直されて活用できるようになっているケースだった。情報のアップデートが追いついていないようだった。
税法は毎年改正されます。「5年前は問題なかった手法が今は使えない」ことも、「以前はNGだった制度が最近は活用できる」ことも、両方あります。
常に最新情報をキャッチアップしている税理士でないと、気づかないうちに損をしている可能性があります。
だからこそ複数名と面談して「考え方の相性」を確認すべき
ここまで体験談をお伝えしてきましたが、結論をまとめます。
「税理士は誰でも同じ」は思い込み
同じ案件でも税理士によって見解は大きく異なります。1人だけに話を聞いて決めると、その税理士の「常識」がそのまま自社の方針になってしまいます。
「料金」より「考え方の相性」が重要
月3万円の税理士より月5万円の税理士の方が、節税効果を含めると総コストが低くなるケースは珍しくありません。費用は比較指標の一つに過ぎません。
最低2〜3名と面談してから決断する
1社目の税理士に良さそうな印象を持っても、即決はしないことを強くおすすめします。比較して初めて「この人は攻め型」「あの人は守り型」という違いが見えてくるのです。
自力で複数の税理士を探すのは限界がある
「複数名と面談しよう」と言っても、自力で税理士を探すのは実はかなり大変です。
知人の紹介だと断りづらいし、ネットで探しても「本当に副業法人・スモールビジネスに強いのか」が判断できない。無料相談をしても、どこか営業感があって本音を話しにくかったりする——そういう経験をした方も多いと思います。
私が使ったのは、税理士の紹介・比較サービスでした。こちらの状況(業種・年商・法人規模・希望する節税方針など)を登録すると、マッチする複数の税理士を無料で紹介してくれるサービスです。
無料で複数の税理士に相談できるサービスを使ってみる
登録は無料、相談も無料。節税方針・法人の規模に合った税理士を複数紹介してもらえます。
断る際の気まずさもなく、比較がしやすい点が私が気に入っている理由です。
顧問税理士との関係は、法人を経営する限り何年も続きます。「なんとなく」で選んで後悔する前に、ぜひ一度複数の税理士と話をしてみてください。
面談してみて初めて「ああ、こんなに違うのか」と分かります。私がそうでした。
本記事は個人の体験・見解に基づく情報提供を目的としており、税務アドバイスではありません。本サイトはアフィリエイト広告を含みます。実際の税務判断は担当の税理士にご確認ください。