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エピソード #04 | 法人成りを選んだもうひとつの理由

副業利益を投資信託に回したら、
法人成りでもう一段トクをした
損益通算——個人では絶対にできない法人の特権

個人では投資信託の損失と副業収入は「別の話」として計算される。法人にすると、それがひとつに合算される。この違いが、思った以上に大きかった。

運営者の実体験 | 読了時間 約8分

副業利益を投資信託に回していた

副業の利益が積み上がってくると、「このお金、ただ口座に置いておくのはもったいない」という気持ちが出てきます。 私もその一人で、副業で得た利益の一部を投資信託による資産運用に充てていました。

毎月の副業利益から一定額を積み立てて、いくつかの投資信託を購入していました。 法人成りの相談をする少し前から始めていて、最初のうちはまあまあ順調だったんですが、 ちょうどそのころ相場が大きく崩れて、保有ファンドがそれなりの含み損を抱えている状況でした。

法人成りの無料相談の場で、役員報酬や経費の話が一通り終わったあと、 なんとなく「実は個人でも投資信託をちょこちょこ買っていて……今けっこう含み損なんですよね」と 苦笑い気味に話したんです。すると税理士の方の表情が少し変わりました。

「あ、それ、法人成りするタイミングで一緒に考えた方がいいですよ。
個人口座で保有している限り、その含み損は副業の利益とは絶対に打ち消せません。
でも法人の証券口座で運用していれば、損切りしたとき会社の売上と相殺できるんです。
今からでも遅くないので、口座をどう整理するか検討してみましょう。」

法人成りの相談のつもりで行ったのに、投資の話まで展開するとは思っていませんでした。 そのとき初めて、「法人で運用するか、個人で運用するか」で税の扱いがまったく変わることを知りました。


個人では「投資の損失」と「副業の利益」は別計算

株や投資信託の損失を、副業の利益と相殺できると思っていませんでしたか?——実は、個人だとできません。

個人の場合、所得は「種類ごとに分けて」計算されます。 副業の利益は「事業所得(または雑所得)」、投資信託の売却損益は「譲渡所得(申告分離課税)」という まったく別のカテゴリーです。

個人の「所得の壁」:
株や投資信託の損失は、同じカテゴリーの利益(他の株・投資信託の利益)とは相殺できます。
しかし副業の売上・利益(事業所得・雑所得)とは絶対に相殺できません
カテゴリーが違う以上、どれだけ大きな投資損失が出ても、副業の税負担は1円も変わらないのです。

つまり個人の場合、投資で150万円の損失が出ても、副業収入500万円への課税は変わらず続きます。 損失は最長3年間、将来の投資利益と相殺することができますが、 副業収入に対する税金は、投資の損失とは完全に無関係なのです。

プラスとマイナスの対比イメージ

なぜ法人だと通算できるのか:個人 vs 法人の構造の違い

法人の税計算は、個人とは根本的に仕組みが違います。

😔 個人の場合
😊 法人の場合
📦 副業の利益
+500万円
事業所得・雑所得
📦 会社の売上(益金)
+500万円
↓ 別々に課税
↓ すべて一本化
📉 投資信託の売却損
▲150万円
申告分離課税(別カテゴリー)
📉 投資信託の売却損(損金)
▲150万円
🚫 相殺できない壁
✅ 益金-損金=課税所得
副業分の課税所得
500万円のまま
投資損失は3年繰越のみ(副業と別)
課税所得
350万円
500万 ― 150万 = 350万円に課税
法人の税計算はシンプル:益金 ― 損金 = 課税所得
法人は「すべての収入(益金)からすべての費用・損失(損金)を引いた額」に対して法人税がかかります。 投資信託の売却損は損金として計上できるため、売上と自動的に相殺されます。 個人のように「カテゴリーの壁」は存在しません。

具体的な税額シミュレーション:同じ状況で税負担はどう変わるか

実際の数字で見てみましょう。
前提:副業年間利益500万円、投資信託を300万円購入後に150万円の損失が出て損切り

項目 個人(事業主) 法人
副業の利益(売上) +500万円 +500万円
投資信託の売却損 相殺できない ▲150万円(損金算入)
課税所得 500万円
(損失を活かせない)
350万円
(500万 ― 150万)
税率(概算) 所得税+住民税
実効約30%
法人税等
実効約22%
💴 税負担合計(概算) 約150万円 約77万円
🎯 法人の方が有利な額 約73万円の差

※所得税・住民税は簡易計算(実際は基礎控除・給与所得控除等により異なる)。法人税等は中小企業の軽減税率を適用した概算。実際の税額は条件により変わります。

同じ500万円の副業利益、同じ150万円の投資損失でも
個人と法人で約73万円の差
法人なら投資の損失が「節税の道具」になる

もちろんこれは概算であり、実際の税額は個人の所得構成や法人の経費状況によって変わります。 ただ「損失を通算できる vs できない」という構造の違いは確実に存在するため、 投資と副業の両方をやっている人ほど、法人化の恩恵が大きくなります。


「損が出たら売上と相殺する」という選択肢

ここまでの話を整理すると、法人で資産運用をする場合にこんな「戦略的な考え方」が生まれます。

「法人の売上が安定しているなら、投資信託は少しリスクの高いものにチャレンジしてみるという選択肢もあります。 もし損失が出てしまったら、そのとき損切りして売上と相殺すれば、税金を減らせます。 逆に利益が出ていれば、そのまま保有を続ければいい。 損の出どころを"調整弁"として使えるんです。」
利益が出た場合

そのまま保有・再投資

含み益のうちは課税されない。売却せずに長期保有することで、複利効果を享受できる。

損失が出た場合

損切り → 売上と相殺

損切りして損金に算入。会社の利益と相殺して法人税を圧縮できる。ダメージを「節税」に変換。

もちろん「損を出すためだけに投資する」という発想は本末転倒ですし、税務上もリスクがあります。 あくまで「事業の余剰資金を運用しつつ、損失が出た場合に税負担を和らげられる」という合理的な選択肢として考えることが重要です。

株式チャートの画面イメージ

絶対に押さえるべき4つの注意点

この仕組みは税理士も「基本的には正しい」と認める合法的な手法です。 ただし、必ず守らなければいけないルールがあります。

注意点 ①

含み損のままでは損金にならない

投資信託が値下がりしていても、実際に売却(損切り)して初めて損金として計上できます。 保有したままの含み損は原則として経費にも損金にもなりません。 「いつ損切りするか」のタイミングが税務上も重要になります。

注意点 ②

定款の事業目的に「資産運用」を入れておく

法人が投資信託を購入するためには、定款の事業目的に「有価証券の取得・保有・管理」や「資産運用」などの記載が必要です。 記載がない状態で投資を行うと、「なぜ会社が投資信託を?」と税務調査で問われるリスクがあります。 法人設立時または定款変更時に必ず確認しましょう。

注意点 ③

節税目的だけの取引は否認リスクあり

明らかに「損失を作るだけ」を目的とした取引は、税務署から租税回避行為として否認される可能性があります。 「事業の余剰資金を運用した結果、たまたま損失が出た」という自然な流れが大切です。 計画的すぎる損失計上には注意が必要です。

注意点 ④

あくまで「余剰資金の範囲内」で

事業に必要な運転資金まで投資に回すのはNGです。 会社に残った余剰資金での運用という位置づけが必要です。 資金繰りが悪化するような投資は事業リスクにもなるため、余裕資金の範囲内で運用しましょう。

3つの条件をすべて満たすことが前提:
①定款に資産運用の記載がある ②取引が自然な流れである ③余剰資金の範囲内である

この3条件が整ってこそ、合法的に損益通算のメリットを享受できます。 具体的な運用方針・金額・タイミングについては、必ず担当税理士と相談しながら進めてください。

📌 このエピソードのまとめ

個人では投資信託の損失と副業収入は別カテゴリー。どれだけ投資で損しても、副業の税負担は1円も変わらない
法人は「益金 ― 損金 = 課税所得」というシンプル構造。投資信託の売却損も損金として売上と相殺できる
副業利益500万円・投資損失150万円の場合、個人と法人で約73万円の税負担の差が生まれることも(概算)。
売上が安定した法人では、リスクを取った投資をして損失が出たら相殺するという選択肢が生まれる。
必須の3条件:①定款に資産運用の記載 ②自然な取引の流れ ③余剰資金の範囲内。外れると否認リスクあり。

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※本記事は運営者個人の体験・見解に基づく情報提供を目的としており、税務・法務・投資アドバイスではありません。 投資信託の売却損と法人売上の損益通算の可否は、定款の記載・取引の内容・資金の性質等により個別に判断が必要です。 具体的な判断は必ず税理士等の専門家にご相談ください。 本サイトはアフィリエイト広告を含みます。